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山口地方裁判所 昭和24年(行)12号 判決

原告 山田新松

被告 国

右代表者 法務総裁

一、主  文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

二、事  実

原告訴訟代理人は請求の趣旨として昭和二十一年十二月十五日附原告出願に係る出願受付番号九商鉱同年第三九八号山口県宇部市地内石炭鉱六十八万六千二百坪の試掘出願について、昭和二十二年十一月十九日附を以て広島商工局長に提出せられた出願取消の無効なることを確認する、訴訟費用は被告の負担とするとの判決を求め、その請求の原因として原告は山口県宇部市山陽本線西宇部駅前所在の長伸炭鉱組合長であるが、昭和二十一年十二月十五日宇部市地内に(イ)出願受付番号九商鉱同年第三八二号八十三万千五百六十坪(尤も右は翌二十二年三月七日採掘許可願に変更受付番号中鉱同年第六号)及び(ロ)出願受付番号九商鉱同年第三九八号六十八万六千二百坪即ち本件係争鉱区(沖宇部鉱区)の二石炭鉱の試掘の許可を当時の管轄官庁であつた九州地方商工局長宛出願した。然るに右(イ)の出願地域が(ハ)訴外古野甚三郎及び藤村喜助共同出願の宇部市地内石炭鉱試掘二十九万二千六百坪とその地域を同じくする部分があつて、その部分が両者の競願に陥つた(と云うのは戦時中企業整備のため廃業区域を指定して鉱業の出願が禁止せられ右地域も右の廃業区域であつたところ昭和二十一年十二月十五日午前零時を期して右禁止が解除せられることとなつて原告及び右訴外人両名の出願がいずれも同日午前零時一分時刻引受証明によつて発送せられて同時出願となつたためである。)

右(イ)鉱区は宇部市大字上宇部にあつて原告が昭和十二年以来第三長伸炭鉱名義で経営していたのを昭和十八年企業整備となつて廃業していたものであるが、原告はその再開を計り昭和二十年七月二十八日附で内五十三万余坪につき出願しこれは(ニ)出願番号九商鉱昭和二十年第五一一号山口県宇部市地内石炭試掘鉱五十三万五千二百六十坪となつているが当時尚出願禁止が解除せられていない地域であつて出願は当然無効であつたため、更に昭和二十一年十二月十九日禁止解除と同時に右(イ)の出願をなし、次いで同二十二年三月七日これを採掘願に転願したのであるが、上述の様に(イ)(ハ)両鉱区が競願に陥つたため鉱業法第三十三条により競願者古野藤村との協議を命ぜられ、協議の結果昭和二十二年八月三十一日原告七割古野藤村三割の持分で右(イ)及び(ハ)の両出願権を共有することとなり、次いで同年十一月右両出願権を訴外宇部炭鉱組合に譲渡することとなつた。そこで同月中旬頃原告代理人福田運人の外藤村喜助(本人兼古野甚三郎代理人)及び宇部炭鉱組合事務員笠井康亮の三名は同道して当時の管轄官庁たる広島商工局に出頭して同局鉱山部鉱政課出願係長中原孝一に協議の調うた旨を届出ると共に其の様出願変更手続をしようとしたところ、右中原から右手続のためには出願書添附の鉱区図を調べる必要があるが生憎図面の係主任清水久夫が帰郷不在であるから同人の登庁を得て取調べた上書類を作成し置くべき旨の申出があつたので三名はその儘引取つた。その後幾何もなく右商工局から右競願者を通じて福田及び笠井に出願変更書類は中原が調えて調印すれば済む様になつて居るとの旨通知があつたので福田は右出願変更のため出広する笠井に原告の印章を託したのであるが笠井が右商工局に出頭したところ前記中原は原告の印章を出願書押印と対照の後変更書類の原稿を笠井に手渡したので笠井は附近の鉱業代書人方に到り右原稿と印章を渡して浄書調印して貰い、これを右商工局に提出した次第である。右(イ)(ハ)(ニ)の譲渡鉱区が現在其の所在地名を採り上宇部炭鉱の名の下に経営せられているものであるが、本件出願鉱区即ち前記の(ロ)の出願鉱区は全然別地域なる宇部市大字沖宇部字野中及び同浜中にあつて、従つて全然前記の協議外で原告には後者の出願をも取下げる意思は毛頭なく、その事は関係者一同殊に直接前記協議の届出を受けた中原の熟知していたことである。元来出願中は課税せられることがないので特殊の事情のない限り出願人が任意取下げることは常識上考え得られぬ所であるのみならず、原告としては現在経営中の長伸炭鉱も大分掘つたので転出準備のため(イ)(ロ)の出願をした次第であつて無意味に取下げることはあり得ない。ところが昭和二十三年十二月に至り原告は西野松雄より懇望せられて前記(ロ)鉱区の出願権を同人に譲渡したのであるが譲受人が直ちに広島商工局に出頭して出願人変更の手続をしようとしたところ、右出願は昭和二十二年十一月十九日附で取下げられていることを知り、その旨原告に知らせたので原告も事の意外に驚いたが他に何等の心当りがないから前記の中原が笠井に手渡した原稿中に(ロ)の出願鉱区即ち本件沖宇部鉱区の出願取下書があつてこれが浄書調印されて提出されたものと推察する他はない。福田は前記(イ)出願権の変更書類が既に右中原によつて調えられており、調印を俟つのみとのことで笠井に原告の印章を託したのであつて笠井は中原の指示に従いその作成した原稿を浄書調印したに過ぎないから原告の印章の単なる運送人に過ぎなかつたと見るべきであり、本件取下書の作成者は右中原であつたと謂わねばならないが中原は前記の様に福田等から(イ)(ハ)鉱区競願の協議及びその譲渡について報告を受け、譲渡契約履行のための必要書類の作成について相談を受けたのであるから福田等から手続を依頼せられたのは右(イ)(ハ)鉱区についてであつて(ロ)鉱区に関しては何等の相談を受けないばかりか却つて原告に(ロ)鉱区出願を取下げる意思の毛頭なかつたことを知悉していたのであるから(ロ)鉱区の取下書が作成提出されたのは原告に関する限り、其の印章が盜用せられたと同一であつて何等の効力を生じない。原告に右取下の効果意思の存しなかつたばかりでなく、右笠井は原告の代理人でも使者でもなく単に原告の印章の運送人に過ぎなかつたのであるから右取下には意思表示の要素なる表示意思の存する余地もない。仮に笠井を原告の使者であつたと仮定しても使者には無権代理の規定を準用することはできない、殊に笠井に本件出願の取下の代理権のないことは極めて明白であつたばかりでなく、中原自身に於て笠井が原告の印章を持参したのは前記(イ)鉱区に関するものであることを知悉していたことと相俟つて民法第百十条に所謂権限ありと信ずべき正当の理由が中原になかつたことも亦明瞭である。仮に然らずとしても本件は(イ)鉱区に関する意思表示が同鉱区のみならず、全然別個の本件鉱区の出願取下と云う別個の行為に表示せられた錯誤の問題となるのであるが、此の錯誤たるや前記協議届出以来の経過に鑑みて何人も当然に覚知すべき客観的明白なる錯誤であつて本件取下の無効たるや疑を容れない。よつて本訴に於て右取下の無効確認を求めると述べ、被告の答弁に対し本訴は単なる過去の事実の確認を求めるのではなく会社設立無効確認の訴親族会決議無効確認の訴或は契約解除無効確認訴訟の如きに於けると同様出願取下の無効確認を得れば原告は出願権者としての権利義務を有することとなつて訴の利益を有することは明白である。尚本件出願鉱区に他の優先権者或は後願者等の利害関係者があるとしても優先権者の出願面積は僅かに七万八千四坪に過ぎず、原告が本訴に於て勝訴すれば被告は本件出願について審査の義務を負うこととなり、これを怠れば直接履行又は損害賠償の請求権発生の理由となるから本訴が訴の利益あることは明白である。本訴は民事訴訟法第六十二条の所謂必要的共同訴訟でもない。原告が勝訴することによつて本件出願の後願者に影響を及ぼすことはあつてもそれは本訴直接の結果ではなく間接的反射的効果に過ぎない。原告が競願者及び後願者を共同被告とするかどうかは原告の自由に決し得るところである。次に被告は本件出願書添附の図面が粗雑で区域の判定がつかず、その処理に困却していたと主張するが、僅に方位が事実と相違するのみであつて不受理処分に付せらるべきものでなく、一片の修正命令を発して処理し得べきものである。福田は原告が既に宇部炭鉱組合と締結していた(イ)出願権譲渡契約の履行の手続のために広島商工局に出頭したのであつて、これと何等関係のない本件出願権を専擅に抛棄するが如き重大行為の代理権のないことは中原ならずとも普通常識で判断できることである。尚原告は本件出願権自然消滅の通告を受けたことはないと述べた。(立証省略)

被告指定代理人は主文と同旨の判決を求め、原告主張に対する答弁として原告が長伸炭鉱組合長であつて昭和二十一年十二月十五日その主張の(イ)(ロ)の二石炭鉱の試掘出願を為したこと原告主張の如き事情で右(イ)出願鉱区が(ハ)出願鉱区と競願に陥つたこと、原告が(ニ)の試掘出願をしていたこと、(イ)の出願について原告名義を宇部炭鉱組合名義に変更する手続がなされていること、右(イ)鉱区が上宇部炭鉱の名で経営されていること、(ロ)の出願鉱区が(イ)鉱区と全然別地域であること及び昭和二十二年十一月十九日附で右(ロ)の出願が取下になつていることはいずれも認めるが、その余の事実は争う。右(ロ)の出願については原告名義の適法な取下書が提出されたから広島商工局長はこれを受理して出願消滅の手続をとつたのであつて無効とされる謂れはない。

そもそも本件試掘出願は昭和二十一年十二月福岡商工局に於て受理され、昭和二十二年二月出願登録事務の移管によつて広島商工局に於てその引継を受けたものであるが、引継後その出願について審査したところ願書に添付された鉱区図が粗雑で区域の判定がつかず、商工局備付の五万分の一の図面に記入することができず、従つて本来ならば右出願は当然不受理の取扱をなすべきものであつたけれども受理後既に相当の時日を経過していたので今更その措置に出ることは穏当を欠きその処理に困却していたのである。ところが昭和二十二年十一月十日過頃原告経営の炭鉱会社庶務課長であつた福田運人が原告の代理人として藤村喜助外一名を伴い前記(イ)及び(ニ)の出願の取下の手続をするため広島商工局に出頭したので同局出願登録係長中原孝一から本件(ロ)の出願について右の事情を詳細説明したところ福田はその趣旨を了承し本件出願をも取下げる旨言明したが同日は測図係が不在のため後日出頭することを約して引揚げたが同月十九日再び福田は藤村喜助、笠井康亮と共に同商工局に出頭して右中原に対し前記出願について取下の様式を知りたいと申出たので中原が鉱業代書人に書いて貰つたらよいと告げたところ同人等は鉱業代書人方へ赴き間もなく前記(イ)(ニ)及び(ロ)の出願の取下書三通を持参してこれを中原に提出した。そこで中原はこれを受理して出願消滅の手続をとつた上同年十二月八日附で原告に対し原告の右各出願が同年十一月十九日附取下願によつて自然消滅したことを通知したのである。以上の様な経緯で本件出願は取下により消滅したものであるが、これに対し原告からは本訴提起に至る迄一年間以上も何等異議の申出がなかつたのである。

仮に本件出願の取下が笠井康亮によつてなされたものであるとしても、笠井は原告の代理人として取下の手続をなしたものである。笠井が原告の代理人であることは原告の印章を託して商工局に出頭させたと云う原告の主張自体からもこれを知ることができる。仮に笠井康亮が本件出願の取下について原告から代理権を授与されていなかつたとしても笠井の行為はいわゆる表見代理行為であつて、原告は当然その行為の効力を受けなければならない。原告の主張によれば笠井は原告から(イ)及び(ニ)の出願の取下手続をとることを委託されその印章の交付を受けこれを使用して原告のため出願取下の手続をしたのであるから、少くとも(イ)及び(ニ)の出願取下については原告から代理権を授与されていたものと云うことができる。従つて(ロ)の出願取下について仮に笠井に代理権がなかつたとすれば笠井は権限を越えて(ロ)の出願取下の手続をしたことになる、即ち原告主張によれば笠井は先に福田運人と共に原告の出願取下の手続をとるために広島商工局に出頭し、中原から(ロ)の出願の取下の手続について説明を聞いていたこと、第二回目に笠井が広島商工局に出頭したとき原告の印章を持つていたことからして中原において笠井が(ロ)の出願取下についても当然原告から代理権を授与されて出頭したものと信ずるのは当然であつて、即ち笠井に(ロ)の出願取下についてその権限があつたものと信ずる正当の理由があるものと云わなければならない。従つて仮に笠井に(ロ)の出願取下について代理権がなかつたとしても民法第百十条の規定により笠井のなした出願取下に関する行為の効果は当然原告に及ぶものと云わなければならない。仮に笠井の行為について民法第百十条の規定の適用がないとしても、前述の様に最初福田運人が原告の代理人として広島商工局に出頭したとき福田は(ロ)の出願の取下について承諾しているのであり、又原告の主張によれば中原に出願取下書の作成等を依頼していたものと云うことができるから仮に笠井が中原の作成した書類(これは原告の印章を押捺することによつて文書として完成するものであつて、それまでは正式の文書と云うことはできない)に原告の印章を押捺したとすればこれによつて表示行為は完成し(取下書の作成者はあくまでも原告である)原告は(ロ)の出願の取下手続をしたことになる。この場合笠井が原告主張の様に単に印章の運送人であつたとしても取下の効力に影響はない。

原告は本訴に於て出願取下の無効の確認を求めておつて過去の事実の確認を求めているものに外ならないから原告の請求は権利保護の利益を欠くものと云わねばならない。尚本件係争区域には本件出願の外本件と同時に他に三件の採掘出願あり、その後も諸出願続出し原告自身に於ても昭和二十三年十二月十三日右(ロ)の区域と略同一区域に更に採掘出願の手続をとつているのであるが、仮に原告が本訴で勝訴したとしても判決の効力は他の出願人に及ばないから広島商工局としては原告を優先の出願人として取扱うことはできず、従つて原告が勝訴の上優先の出願人として取扱われるためには後願者全員の同意があるか又は少くとも後願者全員をも被告としない限り出願取下の無効確認を求める法律上の利益がない。と述べた。

(立証省略)

三、理  由

原告が長伸炭鉱組合長であつて昭和二十一年十二月十五日宇部市地内に(イ)出願受付番号九商鉱同年第三八二号八十三万千五百六十坪及び(ロ)出願受附番号九商鉱同年第三九八号六十八万六千二百坪、即ち本件出願鉱の二石炭鉱の試掘の許可を当時の管轄官庁九州地方商工局長宛出願したこと、然るに右(イ)の出願地域が(ハ)訴外古野甚三郎及び藤村喜助共同出願宇部市地内石炭鉱試掘二十九万二千六百坪とその地域を同じくする部分があつてその部分が両者の競願に陥つたこと、(イ)の出願が昭和二十二年十一月十九日宇部炭鉱組合名義に名義変更の手続が採られており、現在右鉱区が上宇部炭鉱の名で経営されていること及び(ロ)の出願鉱区が(イ)鉱区と全然別地域であつて右と同日附で取下となつていることは当事者間に争がなく、原告本人訊問の結果によれば右(ロ)鉱区即ち本件出願鉱を取下げることが原告の本意でなかつたことは十分にこれを認めることができる。而して原告は広島商工局出願登録係長中原孝一が右原告の真意を知り、又は知り得べかりしに拘らず右(イ)出願鉱区の譲渡手続について原告代理人福田運人に相談を受けた機会に(イ)鉱区出願の名義変更書類の原稿と同時に(ロ)出願鉱区についてもその取下書の原稿を作成して原告の印章を預つて来た訴外笠井康亮に対し、同人が官庁の諸届等に通じていないまゝに右原稿を前記譲渡の書類として手交してこれを浄書捺印して提出させたと主張するけれども右主張の一部に符合する証人福田運人同笠井康亮の各証言部分及び原告本人の供述は措信し難く、他に右事実を認めるに足る何等の証拠なく、却つて証人中原孝一の証言同証言によつて成立を認め得る甲第一号証の一、二第三号証の記載及び証人吉光啓三、加納弓弦の各証言を綜合すれば右(ロ)出願は願書に添付された図面が粗雑であつたため商工局係員に於て其の処理に迷つている中、右福田運人が原告の代理人として藤村喜助、笠井康亮と共に前記(イ)出願鉱外一出願鉱の取下のため広島商工局に出頭したので右係員たる中原が本件(ロ)出願について右の事情を説明したところ、福田はその趣旨を了承して本件出願をも取下げる旨言明し、同日は測図係不在のため引揚げ、その数日後なる昭和二十二年十一月十九日再び福田は右両名と共に同商工局に出頭して右中原に対し取下の様式を訊ねて中原から鉱業代書人に書いて貰つたらよいと告げられ、鉱業代書人の代書による本件出願鉱の取下書外二通の取下書を作成して中原に提出したので中原は福田が原告の代理人として正当に作成したものと信じてこれを受理し出願消滅の手続をとつた上同年十二月八日附で原告に対し原告の右各出願が同年十一月十九日附取下願により自然消滅したことを通知した事実を認めることができ、以上認定に反する証人福田運人、笠井康亮、菊池圭二、西野松雄、伊藤忠治、紀藤桝江の各証言部分及び原告本人の供述部分は信用し難く、他に以上認定を覆すに足る何等の証左もない。而して前記認定のように本件出願の取下は原告の本意でなかつたのであるから福田に右取下についての代理権のなかつたことは看易い理であり従つて本件出願の取下はその権限を踰越した行為と言わなければならぬが福田が原告の代理人として前記(イ)出願鉱外一出願鉱の処理について代理権を有していたことは原告の自認するところであり、この事実に成立に争のない乙第二号証の一、二を綜合すれば右取下に際り右福田が原告の印章を所持していたことが明白であり、尚前記認定の様に福田が本件出願を取下げたのは中原の申出を了承して取下を諾し、一旦原告住所地なる宇部に引揚げた後数日を経てからであつたこと、及び福田が原告の経営する炭鉱の庶務課長であつて鉱区出願手続等に関する一切の事務を総括していた事実を彼此綜合すれば第三者たる右中原には福田が本件出願の取下についても代理権があると信ずべき正当の理由があつたものと言わなければならない。そうすると原告は当然右取下の責任に任ずべきであるから到底本件出願の取下を無効とすることはできない。

尚爾余の原告の主張は右認定事実と相容れない事実に立脚するものであるからその他の争点については総て判断を省略し原告の本訴請求を失当として棄却し訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用して主文の通り判決する。

(裁判官 土田吾郎 黒川四海 住吉君彦)

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